人事

経営者は長期的なビジョンを示し、
そのビジョン達成のために必要な人財をトップ自ら育てる
Ⅰ 人を残す会社は発展する

1.関東大震災復興院総裁 後藤新平はこう言いました

財をなすは下、
事業を残すは中、
人を残すは上

財は残しても跡継ぎが失敗すればそれまで。事業(儲かる仕組み)が残れば事業が続くが、時代が変われば仕組みも変わる。良い人財を育てておけば新たに儲かる仕組みを作り出してくれます。


2.社員の主体性を育てる

考えさせる
発言させる
行動させる
反省させる

社長独断ではだれも考えなくなります。会議では社員にどんどん発言させることで、主体性を育てることになります。良い行動を促進し、悪い行動を反省させましょう。


具体例

①株式会社中村軒(創業128年京生菓子製造販売)、後継者が行なう社員を活かす取り組み

職人一人ひとりがプライドを持って、味へのこだわりを持ち、時分の腕を上げていかねばなりません。そこに自分が生かされていることの喜びが生まれるのではないでしょうか。
そこで従業員全員に対してはm本人のやったことを認めて、褒めて伸ばすことを基本としました。
自分の仕事はお客様が判断します。毎回がコンテストのように真剣勝負で臨みます。経営者の目を気にして仕事をしないで欲しいです。
何か一つでいいので、お客様への小さな幸せを提供する気持ちを持ってほしいのです。
人事考課としての能力の判断基準は家訓に基づき、お客様の為に何をしているかです。
自分がいいと思うことはやってください。後処理は経営者が行い、最終責任を持ちますので安心してやってほしいと思います。
⇒これを経営者の役割と考えます。



②株式会社傳來工房(創業1200年鋳造技術から100年建築まで)社長のやりがい創造術

卓越した技術をもって感動を生む製品作りを行ない、周りの方々すべての喜びを呼び、お客様への感謝の気持が従業員全員のやりがいとなって幸せな気持ちを生みます。そんな職場だからこそ従業員は自分の夢を託し実現できるのです。
当社は常に今までにない新しく変わったものを作りだすことを合言葉として、社員一同仕事に取り組んでいます。その一環が社員からの提案書であり、ちょっとした一工夫を取り上げ、表彰する制度があります。これを何があっても続けていくのです。


3.5年後どんな社員になりたいか

①株式会社本田味噌本店(創業181年西京味噌製造販売)社長の人材教育

社長との直接コミニュケーションを図る場として、誕生日会を毎月開き、その月の該当者は社長が昼食に招待します。その中で社長の想い(Ⅱ.3参照)が浸透しているか、確認されています。社長は一人ひとりに期待していることを伝え、そのために努力している人を人事考課で評価することとしています。まさに【企業継続の仮説の一つ】将来ビジョンを示し、そのために必要な人財をトップ自ら育成しています。


Ⅱ 老舗流組織の必須条件
先ず母親の愛、そして父親の意志(厳しさ) 1.本家八つ橋西尾株式会社(創業321年京菓子八つ橋製造販売)西尾社長の優しさと厳しさ

従業員は家族の一員と思って、やさしく厳しく接し、育てましょう。愛情さえあれば従業員はちゃんとわかってくれています。
勤務については組織なので一定のルールは必要です。破れば厳しく罰しなければなりません。しかし原則は西尾商店として親と子、兄弟のように語りかけ、心配りをすることが大事です。怒った後のフォローもしっかりと行います。


2.株式会社ちきりや(創業158年お茶製造卸)社長のポリシー

『職場は家庭の延長』ということ。この言葉の意味するところは自分の家ならいらない電気は消すし、ごみが落ちていれば拾うこと、それが当たり前なのに会社に来るとその意識が薄れ、物も大事にしなくなります。だから職場は家庭と一緒と考えて行動して欲しいと従業員にも徹底しています。しかしそう簡単には浸透しません、そう感じた社長は自らゴミを拾う、電気を消す、もったいないを実践され、手本となる行動を続けています。


3.経営システム化

【社員や顧客の感情を大切にできるソフト面の仕組みが必要】

本田味噌本店の品質第一主義からヤル気向上に。
一般に売上は営業が作り、直接会社を支えているのは営業だという思いを持つ経営者や従業員をよく聞きます。しかし会社は間接部門の方々の縁の下の力がなければ成り立ちません。
そんな中で、全ての業務に品質があり、それが企業を支えていると経営者自ら考える会社は従業員のモチベーションを高め、一体感を強め、組織としての企業活動が生まれます。
こんな会社は強いのです。


Ⅲ 経営者を育てるための新規事業

組織コンセプトは

「変革・創造・自立:時代によって変化する顧客ニーズに適応できる変革力・変革の方向性を示す想像力。変革と創造を自ら実行できる自立した組織」


組織形態は

若手による経営会議システム⇒現経営陣に提言するプロジェクト型組織経営

⇒本質は中期経営計画の策定とその推進エンジンとして機能させることにあります。


株式会社高蔵(創業260年染色加工・販売)が目指す感動の組織とは

将来の人財育成についてこのように語られました。
我々の経営目標は、染色をベースとしたモノづくりで、人々に感動を与えたい、です。 
ビジネスの場を修行の場と捉えることが大事。その上で美しいものを素直に美しいと感じることの出来るスタッフと働きたいです。お互いが高めあうような関係が理想です。そうした組織を築き、この工場から、世の中に感動を生む作品を送り出したいのです。


最後に
人財育成が100年企業となるための必須条件です。なぜなら長期ビジョンをもって、時間をかけて人を育てることができる企業が100年企業となり得るからです。
次に企業継続のための土台に財務基盤がある。そこには業種・業態に無関係の絶対的な経営指標がある。そこをお話しましょう。

財務




財務面から元気な100年企業となるための必須条件(捉え方)をご説明させていただきます。2つの必須条件をあげました。どちらも心に留めておくべき大切なものです。


必須条件1 定性的本質価値を知る

【各指標の捉え方・考え方】

P/L項目

売上高とは・・・
当然上げていかなければならないものですが、それは目的ではなく、経営の一手段と考えるべきです。それは顧客第一の理念のもと、顧客満足度を高め、さらに新規の顧客創造につなげることによって、売上は上がっていきます。
〔売上=顧客利益と顧客創造の最大化〕


粗利益とは・・・
原価を下げることではなく、売価を上げることにより得られるものと考えます。
顧客側がこの値段でもいいからここの商品を買いたいと思わせるだけの顧客からの忠誠心(ブランドロイヤリティ)を得なければなりません。そのために顧客に信垣に値するだけの商品であることを企業は約束しなければなりません。約束を破った時、老舗のブランドは跡形もなく崩れ去るのです。
〔粗利益=ブランドロイヤリティ〕


人件費とは・・・
人材は人財なのですコストではなく資産なのです。費消するのではなく蓄積するのです。人は経営者自身の手によってビジョン達成に必要な人財に育てなければなりません。優れた経営者は頭の中の70%は組織や人財のことを考え、その70%の更に70%の優秀な人財のことを考えます。タメな経営者は70%が出来の悪い人材の愚痴で満たされていると言われます。
〔人件費=未来投資〕


営業利益とは・・・
その企業の事業構造に影響を受けます。事業は次の4つに分類され、それぞれ特徴があります。
   業績操業度
    受注型(不安定) 見込型(安定)
固有技術力 開発型(独自型) Ⅲ.開発事業モデル Ⅳ.プラント事業モデル
下請型(依存型) Ⅰ.下請事業モデル Ⅱ.OEM事業モデル

この中で業績操業度が安定し、国有技術力に独自のものを持つ事業構造が最も良いことはお分かりいただけるでしょう。
すなわちブランド事業モデルへの移行が営業利益を高めるのです。
〔営業利益=事業構造の設計図〕


当期純利益とは・・・
これは投資と納税の源泉となります。企業と社会の両者への貢献となります。
企業とは資本の蓄積であり、設備投資・株主への還元・社員への分配です。これらは全て企業の未来における有り姿(ビジョン)につながります。
未来への贈り物なのです。そのためのコストと考えましょう。また納税を嫌う経営者は伸びません。
〔当期純利益=企業将来投資コスト〕


損益分岐点売上高とは・・・
この売上高であれば営業利益がトントンであるという売上高を示します。
この数値と実際の売上高の割合を損益分岐点操業度といいます。
この値を最低80%とすることが100年企業では必要です。すなわち20%売上が落ちて初めて営業利益がトントンという水準です。
先のリーマンショック以来取引先の倒産に連鎖しての倒産が相次ぎました。1社集中取引の怖さです。
最大手取引先でも20%以下のシェアとすることが求められます。
〔損益分岐点売上高(操業度)=不況抵抗力〕


B/S項目

自己資本とは・・・
企業体力を表します。得てして元気な老舗の自己資本比率(自己資本/鮮資産)は60%を優に超えています。
無借金であることがその原国です。その高い比率を目指す経営こそ100年企業へ道となり、寿命を延ばすことにほかなりません。
目先の損益を重視し、借入で投資をどんどん膨らませていく経営ではなかなか自己資本を充実させることは難しいと言わざるを得ません。
〔自己資本=企業寿命〕


借入依存率とは・・・
「借入上手は企業を漬す」と言われています。他人資本に頼ることは経営の手綱を他人に握られているのと同じです。
借入をせずに身分相応の規模を維持している老舗の多いことを実感しています。
銀行借入のリスケジューリングは延命措置であり、根本治療ではありません。テクニックに溺れては経営に溺れます。
そのことをしっかり認識し、企業の生命線は自らの手で振るのだという強い決意を持ってください。
〔層入依存率=生命依存率〕


総資本経常利益(ROA)とは・・・
経営者が行うべき本当の資産運用は企業の資産の利回りを如何に高めるかという投資活動です。
株式や為替の投貨ではありません。企業の総資産をフル活動させていかに経常利益を高めるかが重要です。
そのために総資産をスリム化すること(在庫、売上債権の改善)経常利益を最大化すること(利益を上げる、コストダウン、結果キャッシュフローを増加させる)は健全かつ組織的な投資活動なのです。



必須条件2 定量的数値目標とのギャップを知る

【5つの絶対値】
元気な100年企業の平均的な経営数値を挙げます。
この数値は業種無関係に理想とするべき数値とお考えください。うちの業種は特殊だからこの数値は低くても仕方がな
いという考えでは、その業種がなくなれば御社も終わりというということです。数値が悪いなら良い業種、業態への移行も視野に入れ、変革を行うこと、それが100年続くための究極の秘訣なのです。今すぐ御社の数値と比較し、そのギャップを認識してください。
-そこから全てが始まります-

5つの絶対値

マーケティング

今回は100年企業となるためのマーケティング手法についてお話します。

マーケティングとは顧客の創造とも言われ、以下に売上を伸ばして、自社に利益を残すかという観点と一般的には言われています。

しかし老舗のそれは観点を異にしており、「如何に生き残るか」にスポットが当てられています。

一見同じように思えるかもしれませんが、生き残るという思想の中には
自社だけではなく、取引先、顧客、地域、従業員と共に生き残っていくという
共存共栄が根本にあります。

そこを解説したレジュメを以下に載せました。更に細かな説明が必要と思います。
その点は順次掲載していきますのでよろしくお願いいたします。



目次
◆長期企業継続は事業構造に秘訣がある
①事業の耐震構造設計
 ・ 10,20,40,80の倍数戦略
②1T3Dナンバーワンブランド戦略
 ・ 開発見込型ブランド事業への移行
 ・ 1T3D戦略を目指す
 ・ 新規事業の種

◆老舗の企業の在り方事例集



【長期企業継続は事業構造に秘訣がある】
   Ⅰ.事業の耐震構造設計
    10,20,40,80の倍数戦略

    ①1社ウェート10%以下
    ⇒損益分岐点操業度の裏指標

    ②2つのシェア20%以上
     ターゲット市場におけるシェア⇒No1ポジション
     得意先内におけるインストアシェア⇒最重要取引先
    
    ③粗利益率40%以上⇒最終利益確保、価格政策対応可

    ④リピート率80%以上⇒信奉者創造⇒新規紹介



   Ⅱ.1T3Dナンバーワンブランド戦略
     1.開発見込型ブランド事業への移行

ブランド事業への移行図

     1T3Dナンバーワンブランド戦略
     1T3D戦略を目指す
     
     1T:1つのテクノロジー(真の強み)
     ⇒残すべき部分
     
     3D:3つのドメイン(事業領域)⇒変えていく部分
     一極集中ではなく中程度の塊をいくつか持つ戦略が長寿企業の秘訣である。

    2.新規事業の種
    1T3D戦略を遂行するために種まきが必要

    ①事業アイデアを生む4つの種
     ・組織連携:部門間の垣根を越えて連携
     ・事業連携:外部パートナーとの連携
      【同業種 異業種 産学】
     ・M&A戦略
     ・事業再編型と事業承継型、規模の縮小傾向
     ・採用人事政策
       誰がやるのか:社内公募、外部スカウト、専門組織設置
 
    ②専門組織を育てるルール参考:米国3M
      ・15%ルール:勤務時間の15%を自分の好きな研究に費やしてもよい
      ・ブートレッキング:上司が研究を打ち切ると命じても就業時間以外なら会社の  
       設備を使って密かに自分の研究を進めてもよい
      ・11の戒律:管理職は確固たる反対材料がない限り、部下のアイデアを
       否定できない



【老舗の企業の在り方事例集】

① 暖簾は守るものではなく革新を繰り返していくことで、その歴史が築かれて
いくものだ。(平八茶屋)

② 社会に対して自分たちができる範囲で貢献していくこと、
それが長く続ける秘訣であり、社会と共存共栄する秘訣なのだと思う。
(本家西尾八ツ橋)

③ 皆が幸せになる経営
高い品質の商品をお届けすることで、従業員に働きがいを感じてもらい、
社会に対する貢献も感じてもらえる。従業員が幸せに働ける職場作りが
当社の企業価値作りの原動力となる。(本田味噌本店)

④ 適正規模を守るということが重要。仕入先を犠牲にして、
自社だけが大きくなるとか、お客様の負担で自社が大きくなるというのは、
いつかおかしくなる。(中村軒)

⑤ 地域一番店のみとしか取引をしない。徹底した品質管理主義から超一流と
認められた、もの、人、企業とお取引をする(傳來工房)

⑥ 自然環境にも優しい経営を行う。古いのは恥ずかしいことではない。
汚れていることが恥ずべきことだ(傳來工房)

⑦ お客様に向けて、同じことをやっていても成長しない。常にお客様目線で
求められているものを提供していきたい。(佐々木酒造)

⑧ 初代が言った一言「神棚に供えられるようなものを作りたい」。
これは大自然を神と崇めた日本人が最も大切にしているものをお供えしてきたことに
起因する(佐々木酒造)

⑨ 従業員に対し雇用の確保、生活水準の向上そして意識改革を提供する。
福利厚生として毎年慰安旅行に連れていく。その目的は従業員の考え方を変える、
世界観を変えること。(ちきりや)

⑩ 自社の中だけでのアイデアでは行き詰まる。大胆に外部ブレーンの活用を決める。
特にデザインマーケティングは効果的である(伊と忠)

⑪ 和装業界を取り巻く外部環境は非常に厳しい。「時代背景・市場環境は
企業努力で変えられるものではない」外部要因に逆らわず、和装は非日常的なものと
割り切る。そこから次の発想が湧いてくるのである。(伊と忠)

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